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最高裁判所第三小法廷 昭和28年(し)98号 決定 1954年1月16日

主文

本件特別抗告の申立を棄却する。

理由

所論は、騒擾助勢等被告事件を担当している第一審裁判所が公平な裁判所でなく、良心に従って職権を行っていないのにかかわらず、忌避の申立を却下し、また右却下決定を容認した原々決定及び原決定が憲法三七条一項及び同七六条三項に違反するというのであるが、その内容は、右本案事件を担当する第一審裁判所の裁量に属する証拠調の範囲、順序の決定等の訴訟指揮が訴訟法の精神に違反し、また法廷警察権の行使方法が法令に違反するということを前提とし、忌避の理由がある旨主張するに止まり、この点に関する原決定の判断は正当であるから所論は、憲法の各条規に違反するという前提を欠き、特別抗告適法の理由にならない(昭和二二年(れ)第一七一号同二三年五月五日大法廷判決及び同二八年(し)第七六号同年一二月二五日第二小法廷決定参照)。よって刑訴四三四条、四二六条一項に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 井上 登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

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